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COLUMNコラム

ハンコ、印鑑 違いは?

2020.04.23印鑑

「印鑑を買う。」日常こうした使い方をよく耳にしますが、厳密にいうと日本語として間違っています。「印鑑」とは「印」の「鑑」(かがみ)という意味で物体としてのハンコのことではありません。「印鑑」とは実印や銀行印など予め登録された「印影」のことを指す言葉です。「印影」とは紙などに捺印したもののことです。「印鑑」は印鑑証明、印鑑登録、印鑑条例などから生まれた通用語といえます。

印章の真偽を照会するための印影台帳を鑑(かがみ)と呼んでいました。「印」を見比べる「鑑」であることから「印鑑」と呼ばれ、又真正であると認められたものも「印鑑」とされるようになりました。今でも市区町村が発行する印鑑証明や銀行では、印鑑登録した印影台帳で照合して証明するために、その呼び名が定着しています。

では「印鑑」」ではなくなんて呼べばいいの?その答えとしては「印章」をお勧めします。「印章」は物体としての呼称で、印材に彫刻したものを示す言葉です。これは刑法に規定された「印章偽造の罪」(公印偽造罪、私印偽造罪など)に基づいています。

「印章」は「ハンコ」「はん」、「印」「璽」(じ)とも呼ばれます。現在では天皇の用いられる印章のみが「御璽」。国の官印は「国璽」と呼び文化勲章の授与の際に褒状に捺すなど他の公印や私印と区別されています。

ところで「ハンコ」の語源は江戸時代に呼ばれた「版行・板行」が音変化した。など諸説ありますが真相は明らかになっていません。

現実には「印鑑を作って!」と来られるお客さんで、よくよく聞けば「ゴム印」だったり「シヤチハタ」であったりすることも珍しくありませんし、あえて否定もしません。

ちなみに私たち印章店は「木口印」(こぐちいん)という言葉を使います。これは三文判やアクリル素材の簡易的なハンコと区別して、柘(つげ)などの木質系印材、牛角などの動物系印材を時間をかけて印刀での手彫り、または彫刻機で荒彫りしたのち印刀での手仕上げを施したものを総称して、そう呼称しています。

※一部 (株)ゲンダイ出版「現代印章」2015増刊号より引用。